ドライフィルム概要(乾性被膜潤滑剤/固体潤滑皮膜)

二硫化モリブデン、グラファイト、PTFE等と各種添加剤を特殊有機バインダーで乾性潤滑皮膜化しました。
部材の摺動面に耐摩耗性や低摩擦性を付与する高機能性被膜、ドライフィルムはオイル、グリースとは異なる特長を活かした設計が実現可能です。
(住鉱潤滑剤(株)製品)

ドライフィルム(乾性被膜潤滑剤)とは…

金属、プラスチック、ゴムなどの機器構成部品に、二硫化モリブデンなどの固体潤滑剤を配合した高機能性塗料をコーティングすることで得られる乾性被膜潤滑剤です。組成は被塗物への密着性を高めるためのバインダーと潤滑性を発揮する固体潤滑剤、さらに防錆性などの機能を与える特殊添加剤からなり、適用分野は、OA機器や家電機器をはじめ自動車、車輌機械、産業機械と幅広く、その目的も初期なじみ、耐摩耗、摩擦調整、永久潤滑とさまざまです。近年は、乾性被膜潤滑剤に対するニーズもますます多様化しております。スミコーは、様々なご要求にお答えして、潤滑性、防錆性に加え耐蝕性、耐薬品性、耐熱性などの複合機能をもつ高機能性塗料を開発するとともに、新たなドライフィルムの可能性を探る研究・開発を重ねております。ぜひお気軽にご相談ください。

ドライフィルムの性能

ドライフィルムの断面イメージ
バインダー摺動面に固体潤滑剤を定着させます。
ポリアミドイミド樹脂・エポキシ樹脂・アクリル系樹脂他
固体潤滑剤二硫化モリブデン・PTFE・グラファイト他
各種添加剤潤滑効果以外の付加機能に応じて使用します。防錆剤・フィラー 他
基溶剤バインダーや加工方法、環境等に応じて使用します。
酢酸エチル・キシレン・MEK・NMP・DMF他

オイル・グリース潤滑との相違点

潤滑剤ドライフィルムオイルグリース
すべり速度低~中速(断続運転)中~高速低~中速
摩擦係数小〜中小〜中
耐荷重能
すべり潤滑
ころがり潤滑
冷却効果悪い良いやや悪い
潤滑剤の補給不可容易 煩雑
密封装置不要煩雑容易
漏洩なし多い少ない
細部への潤滑容易容易困難
水との接触不可不可
薬品との接触不可不可

ドライフィルムの特徴・効果

  • 【初期なじみのトラブルを解消】
    固体潤滑剤の性能を充分に発揮します。また、下地処理を施すことによる相乗効果で、理想的なあたり面を得られ、焼付防止効果が向上します。
  • 【乾式潤滑が可能】
    オイル、グリースが使用できない部位に多くの適用例があります。
  • 【複合した要求に対応】
    潤滑性能にとどまらず、防錆性、非粘着性、通電性、絶縁性、耐薬品性などの複合した要求性能に対応可能。
  • 【フリクションコントロールが可能】
    摺動条件によっては、摩擦係数を安定させることもでき、低温から高温までの広範囲の温度下で安定したトルクが得られます。
  • 【油脂との併用で低μを追求】
    ドライフィルムに、弊社のオイル、グリースを併用することにより、摩擦係数低減や摩耗防止効果などの更なる可能性を追求できます。
  • 【広範囲の使用温度】
    一般のオイル、グリースと比較して、低温(-40℃)から高温(+400℃)のワイドレンジで適用可能な製品もラインナップしております。
  • 【永久潤滑の追求】
    固体潤滑剤の潤滑性能が充分に発揮されると、低速、軽荷重下の摺動条件では半永久的な潤滑を実現します。
  • 【表面処理との併用が可能】
    窒化、メッキ、化成処理などを併用することにより、表面改質として応用できます。
  • 【ミクロンオーダーの精度管理が可能】
    処理方法により、膜厚精度が異なりますが、一般的には±5μm程度の精度管理が可能です。

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